保育士は年度途中でも辞められる?退職の伝え方と準備
- 年度途中の退職は、契約の種類(無期契約か有期契約か)を確認して考える
- 心身の不調が続くときは、年度末を待たずに相談してよい。受診や勤務の調整、休暇・休職制度も確認する
- 伝える相手は、通常は園長か園で定められた窓口。理由は事実に沿って、伝えられる範囲で簡潔に
「子どもたちのことを考えると、年度の途中では辞めにくい」「担任を外れるタイミングがわからない」──保育士の退職には、ほかの仕事にはない悩みがあります。
先に結論をお伝えすると、年度途中の退職は、契約の種類を確認したうえで考えることができます。 また、体調面の相談は、年度末を待つ必要はありません。
この記事では、保育士が退職を伝える時期・相手・伝え方と、退職日までに準備しておきたいことをまとめました。
※ここでは主に、民間の保育園・施設で働く方の手続きを説明しています。公務員として勤務している方は、所属先の人事担当に、適用される規則や手続きを確認してください。
1. 年度途中に辞めたいとき
法律上は、期間の定めのない雇用(無期契約)であれば、労働者はいつでも退職を申し入れることができ、申し入れから2週間で雇用契約が終了するとされています(民法第627条)。
就業規則に書かれている退職の申出期限(「1か月前まで」など)は、引き継ぎや人員の調整のために確認しておくものです。労働局も、まず就業規則を確認するよう案内しています。ただし、極端に長い申出期間は無効とされることもあり、就業規則の期限があることで、民法上の期間が当然に延びるわけではありません。
雇用期間の定めがある契約(有期契約)では、契約満了時の退職と、契約期間の途中での退職を分けて考えます。途中での退職は、園との合意や、やむを得ない事情があるかどうかなどで扱いが変わります(民法第628条)。不安なときは、各都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」で相談できます。
「子どもたちに申し訳ない」と感じるのは自然なことです。それでも、心身の不調が続くときは、年度末を待たずに相談してください。 受診や勤務の調整、利用できる休暇・休職制度がないかも確認しましょう。
年度途中に辞める場合は、次のような配慮をすると、話し合いを進めやすくなります。
- 区切りのよい時期(月末や、行事の後など)を退職日の候補にする
- 引き継ぎの内容を早めにまとめ、後任や同じクラスの先生に共有する
2. 年度末に辞める場合
年度末は、クラス替えなどの節目に合わせて退職を検討できる時期です。ただし、退職の時期は、体調や契約内容も踏まえて考えましょう。
次年度の体制を検討する時期は、園によって異なります。就業規則の申出期限とあわせて、人事面談や次年度の意向確認がいつ行われるかを確かめておくと、伝えるタイミングを考えやすくなります。
3. 誰に伝える? 通常は園長か、園で定められた窓口に
退職の意思は、通常は園長か、園で定められた窓口に伝えます。主任が相談の窓口になっている園もあります。
- 保育の担当を調整してもらい、勤務時間内に、落ち着いて話せる時間を相談します
- 正式に伝える前に、信頼できる人に相談するのはかまいません。その場合は、まだ周りに広めないでほしいことも伝えておきましょう
- 園長や主任との関係が原因で話しにくい場合は、法人の人事担当や相談窓口に相談してもかまいません
- 子どもや保護者への伝え方とタイミングは、園と相談して決めます
4. どう伝える? 理由は事実に沿って、必要な範囲で簡潔に
退職の理由は、事情をすべて詳しく話す必要はありません。体調や家庭の事情を、無理に前向きな理由に言い換える必要もありません。話しにくい事情は、伝えられる範囲で整理しておきましょう。
すでに退職の意思が固まっている場合は、「退職を決めました」と結論から伝えると、引き止めが長引きにくくなります。
伝え方の例(退職の意思が固まっている場合)- 「別の保育の形も経験してみたいと考え、退職を決めました。希望する退職日は〇月〇日です。引き継ぎの進め方をご相談させてください」
- 「家庭の事情で、今の働き方を続けることが難しくなり、退職を決めました」
- 「体調を考え、今の勤務を続けることが難しいため、退職を決めました」
まだ迷っている場合は、担当クラスや勤務時間の調整など、今の園で働き方を変えられないか相談する方法もあります。
人手不足を理由に引き止められても、人員の確保は園が対応することです。引き継ぎには協力したいと伝えつつ、意思が変わらないことを落ち着いて伝えましょう。
5. 退職日までに準備すること
- 有給休暇の残日数を確認する:年次有給休暇は、原則として労働者が希望する時季に取得できます。残日数と取得したい日を確認し、退職前に申請しましょう。勤務先が取得日を退職日より後に変更することはできないとされていますが、引き継ぎの日程とあわせて、退職日と最終出勤日を整理しておくと安心です
- 引き継ぎ:子ども一人ひとりの様子、保護者との連絡事項、担当している行事や係の仕事などをまとめます
- 返却物と受け取る書類を確認する:貸与品の返却と、離職票・源泉徴収票など退職後に必要な書類を確認しておきます
次の職場を考えている方へ
退職を考えるきっかけは、仕事量や持ち帰り仕事、人間関係、保育方針の違いなど、人によってさまざまです。次の職場で同じ悩みを繰り返さないために、何を変えたいのかを整理してから動き出すと安心です。
参考
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。具体的な手続きは、勤め先の就業規則や園にご確認ください。